おはようございます。生きタコです。
今日はアサーションの最終回になります。最終回では、よくアサーションの教科書に書いてあることを紹介したいと思います。
これまでのアサーションの記事をまだ読んでいない方は、ぜいそちらにも目を通してもらえると嬉しいです。
それでは今回は、一般的によく言われているアサーションのステップを紹介したいと思います。今回参考にした本は、平木典子先生の著書です。
平木典子(2015)改訂版 アサーション・トレーニング1ーさわやかな〈自己表現〉のためにー 日本・精神技術研究所
1.自分の気持ち、言いたいことを明確にする
自分の中に沸く様々な感情はごく自然なことであり、その感情の一つひとつには良い悪いがないことを、まずは意識しましょう。大切なことは、自分の様々な感情をどのように表現すれば良いか、必要以上に相手に不愉快な思いをさせないで伝えられるかということを考えることです。そして、自分は何を伝えたいのか、ということを明確にしてから伝えます。
2.周りを気にしすぎない
相手に嫌われやしまいか、相手を傷つけはしないか、という風に考えることはよくあると思いますし、決して悪いことではないと思います。しかし、万人から嫌われたくないなどと考え出すとキリがなくなってしまします。そして悲しいことに、こちらがどれほど丁寧に伝えたとしても、相手のその日の気分次第で、思っていたような返しがこないということも決して珍しくありません。
とすると、もちろん相手を傷つけない言い方を心がけることは大切ですが、万人に受け入れられるような伝え方などは、ほぼ存在しないものと考えた方が良さそうです。
人に好かれるにこしたことはありませんが、必ずしも好かれるとは限りません。なので、必要以上に気を使いすぎることはやめましょう。
3.誰しもがアサーティブになって良いという人権を浮かべる
断ることはよくない、相手の気分を害するようなことは言ってはならない、と考えることは、自分のアサーション権を侵害しています。そして、相手に断る権利はない、と考えることは相手のアサーション権を侵害している。すなわち、自分と他者の権利を侵さない限り、自己表現をしても良いということになります。そして、自己主張しないと決めることもまた権利であるので、常にアサーティブでなくてはならない、というわけでもありません。自分で主張しなくていいや、と決めたのであれば、それはそれでOkということです。
4.考え方をアサーティブにする
常日頃から、べき思考や、思い込みからの「どうしよう」といった不安に対して、建設的な考え方ができるようにしましょう。例えば、どこかに向かおうとした際、電車が止まったらどうしようなどと思い込んで不安が生じている場合でも、致命的や回復不可能といった結果が本当にもたらされるか考えてみましょう。こうした建設的に考えることが、コミュニケーションの場面におていて、アサーティブな表現ができる手助けとなリます。
また、自分とは違うものの見方や考え方と接した際、相手の考え方は間違っている、とか、自分の考え方は間違っている、と判断することをやめましょう。判断せずに、相手の考えや気持ちに耳をむけ、また、自分の気持ちや意見を表現し、しっかりと話し合うことをおすすめします。
5.問題解決場面におけるアサーションのステップ
会議や話し合いの場でのアサーションは台詞と流れ作りをしてしまえば、乗り切れるというものです。その流れとは以下の「DESC法」が参考になります。
①D:Describe(描写する)
客観的に状況・事実を伝える。相手の動機や態度などではなく、自分も相手も分かり、納得いくことを述べる。
②E:Express(表現する)
自分の意見や感情を表現する。自分の主観的な気持ちを表現したり、説明したり、相手の気持ちに共感する。
③S:Specify(提案する)
相手に求めているものを言葉で伝える。具体的で現実的で、明確に提案を述べる。
④C:Choose(選択する)
どういう行動をするか選択肢を示す。その選択肢は具体的、実行可能なもので相手を脅かすようなものではないように注意。
?????って感じですかね。ちょっと具体例を出してみましょう。
例えば、生きタコの大学教員時代を振り返り、仕事がたまりにたまって、にっちもさっちもいかなくなった時の同僚たちへのアサーション例を考えてみたいと思います。
ここのことろ、さまざまな大学行事が重なっていますね(D)
そのせいか、事務業務がたくさん私のところに振られるようになって、自分のキャパシティがオーバーしてしまいました(E)
先生方に、〇〇と□□の仕事を手伝ってもらいたいです(S)
〇〇と□□を先生方で手分けした方がやりやすいですか?それとも、各業務の担当者を私の方で決めた方がよろしいですかね(C)
どうでしょう?合っているかわかりませんが、溜まりに溜まってしまった業務の完遂という目標に向かってDESCで流れを作ってみました。当時から、こんな風に同僚たちにアサーションできていれば、もう少し、生きやすかったかもしれません。たらればですが。
最後に
さて、数回にわたって皆さんとアサーションについて学びました。アサーションは「主張」と訳されがちですが、アサーションを学んでいる方達は「表現」と訳すことが正しいとしていると聞いたことがあります。つまり、言葉を用いた主張に限らず、相手に伝える表現の総称をアサーションとしているようです。
相手にとっての適切な距離での表現を学び、そして、自身がやりやすい方法での表現を身につけることで、皆さんの生きづらさが少しでも楽になることを願います。
今日も読んでいただきありがとうございました。
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これからもよろしくお願いします!
平木先生の本は本当に読みやすいのでおすすめです!