おはようございます。タコです。
とつぜんですが皆さんは、高校の時に受けた保健体育の時間に受けた授業を覚えていますか?
どうでしょうか?なんとなくイメージできましたか?
では、別の質問をしたいと思います。
皆さんは、保健体育の時間に心に関する授業を受けたことはありますか?
えっ、心に関する授業って?
心に関する授業とは、いわゆる、うつ病や不安症というような精神疾患に関する知識や、それらに対する予防や回復の方法を学ぶ授業です。
もしかしたら、道徳や総合の時間に受けたことあるかも、という方はいるかもしれません。
でも、保健体育の時間に受けたぞ、という方はなかなかいないのではないでしょうか。
実は令和4年度から、日本にいるすべての高校生が、保健体育の時間に「精神疾患の予防と回復」という名目で心に関する授業を受けることが決まっています。
今日はそのことについて書いてみたいと思います。
「精神疾患の予防と回復」の成り立ち
高等学校学習指導要領の改訂により、令和 4 年度から全ての高校生が「精神疾患の予防と回復」について学ぶ機会を得ることになりました。
この高等学校学習指導要領によると、高校生たちが、うつ病、統合失調症、不安症、摂食障害に関して、具体名を挙げて理解できるように指導することが求められています。
うつ病、統合失調症などの精神疾患は誰もがかかりえるものです。
こうした疾患の症状に早めに気づき、病院やカウンセリングなどの専門機関を利用して早めに対処することは、回復にとってはもちろん、その人の生活の予後に良いとされています。
ちなみに、教科書に精神疾患名ならびにその症状や対処が記載されることは 40 年ぶりだそうです。今の指導要領にも「精神の健康」といった言葉はありますが、「精神疾患」という言葉はありません。
・うつ病
・統合失調症
・不安症
・摂食障害
これらの疾患は、心理職として働いていると関わる機会が本当に多いです。
そして、これらの疾患は思春期にかかりやすいとも考えられています。
誰もがかかり得るものであり、思春期にかかりやすいということが考えられているにも関わらず、これまでは高校生が精神疾患について学び得る機会が設けられていませんでした。
なのでこの度、高等学校学習指導要領に「精神疾患の予防と回復」が追加されたことは、仕事で心を扱っているも者として、非常にうれしく思います。
そして願わくは、予防的な観点をより重視して、高校生からではなく、中学校からでも~とか思ってしまう欲深い私です。
精神疾患は早期治療・早期発見が大切ですが、本人や本人を取り巻く周囲が、精神疾患に関する知識や受け入れ体制を整えておくことが重要です。そうした知識や受け入れ体制が、専門機関へ早めにつながる懸け橋となります。
私たち心理師も、情報発信や実施の支援にあたるなど、より柔軟かつ迅速な動きがもとめられていくと思います。
以上、今日も読んでいただきありがとうございました!
興味がある方、詳しく知りたい方は以下のサイトを参照ください。
P.54~P.61に詳しく書かれています。
うつ病、統合失調症、不安症、摂食障害に関する各授業教材(アニメ、当事者インタビュー、授業実施校インタビュー、解説集)が置いてあります。
この「こころの健康教室 サニタ」は新学習指導要領に対応した精神保健教育資材を配信するウェブサービスで、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(藤井千代・小塩靖崇)、同研究所児童・予防精神医学研究部(住吉太幹)、東邦大学(水野雅文・根本隆洋)、東海大学(森良一)、東北大学(松本和紀 ※開発当時、現 こころのクリニックOASIS 院長)、高知大学(藤田博一)、奈良県立医科大学(盛本翼)、明治学院大学(西園マーハ文)らの研究グループにより開発されました。
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