タコブログ〜公認心理師と共に楽しむ〜

日々が楽しくなるようなコツを、公認心理師が心理学の知識を用いて紹介します。また、世の中の名言(時に迷言)を独断と偏見で心理学的に解釈していきます。

【うつ】身近な子供の異変に気づくために【子ども】【メンタルヘルス】

今日は子どもの抱える心の問題について書いてみたいと思います。

 

子どもに関する話題として「不登校」「いじめ」「虐待」「発達障害」等が、よく取り上げられます。

 

いつか、そういった話題についても書いてみたいと思いますが、今日は「子どもの落ち込みやうつ」について紹介したいと思います。

 

もし皆さんが、周りにいる子どもの様子に違和感を覚えた時、

 

そんな時にどのように対応すればよいかがわかる、

 

これって、とても大事だと思いませんか?

 

もしくは、対応までは難しくとも、子どもの異変に気付くことができる、って、子どもにとってはもちろんのこと、周囲の大人にとっても生活しやすくなるはずです。

 

要点としては

 

・子どももうつ病になるので、早めの発見と早めの対応が重要

・うつの症状は子どもも大人も一緒

・子ども特有のうつ症状がある

 

それでは、今日も学んでいきましょう!

 

 

子どもってうつ病になるの?

 

大人のうつ病なら分かるけど、本当に子どももうつ病になるの?

 

Yes。1970年前後までは、子どもはうつ病にならないと考えられていたけど、その後、うつ病に関する研究は進み、子どものうつ病はたしかにあると世界各国が認めるようになったんだ。

 

でもそれって、成長期にありがちなものであって、そんなに心配いらないんじゃないの?

 

No。子どものうつを見逃してしまうと、最初は軽かったうつが、重いうつになってしまったりと、生活していく中で様々な問題を引き起こしてしまう可能性があるんだよ。

 

うつの症状

 

うつ病の場合、悲しくて惨めで悲しい気持ちで、やる気や興味が失せた状態が長く続きます。

 

悲しい気持ちになったり、やる気が失せたりって、そんなの誰にでもあるじゃん?

 

確かにね。人間は誰しも、嫌なことがあるとうつな気持ちになるよね。心を扱っているカウンセラーや精神科医だって、落ち込むことは普通にあるんだよ

 

じゃあ、みんなうつ病なの?

 

いいえ。落ち込むようなことがあったとしても、たいていの場合は日にちがたてば元気になったり、楽しいことがあると忘れてしまうよね。でもうつ病は、そうしたうつな気分が2週間以上、続いてしまうんだ。

 

2週間も?!

 

気分の落ち込みが2週間続く上に、生活面においてマイナス方向の言動や・態度が増えている状態をうつ病と言うよ。

 

落ち込んでいるうえに、言葉や態度まで……。なんだか大変そう。

 

そう。うつ病は「こころの風邪」なんて呼ばれているくらい、誰にでもかかり得るものなんだ。でも、その風邪をこじらせてしまっては大変だよ。そして、大人だって辛いことは、子どもだったらもっと辛い可能性がある。なので、うつ病は、早めに発見して早めに治療する、というのが大原則になるね。

 

 

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うつ病の症状

 

基本的なうつの症状は大人も子供も同じになります。

 

その症状は、大きくは9つあるとされています。

 

①     睡眠に関する問題

眠れない、途中や朝早くに目が覚めてしまう、起きられないなど。

 

②     意欲の問題

やる気を出すことができない。疲労感がある。

 

③     集中力の問題

集中が続かない。

 

④     興味の問題

好きなことや趣味が楽しめない。

 

⑤     食欲の問題

食欲がわかない、体重が減る、あるいは食べ過ぎてしまう

 

⑥     活動の問題

おちつきがない、または、活動の低下

 

⑦     気分の問題

ほとんど毎日の抑うつ気分。

 

⑧     自分の価値の問題

自分に価値を見出せない。または過剰であるか不適切な罪責感(自分を責めやすい)

 

⑨     死に関する問題

死について考えやすい。自殺するための計画を考えていたりする。

 

以上が、大人にも子供にも見られるとされている、うつ病の中核症状です。

 

では次に、子ども特有のうつ症状を見ていきましょう。

 

子ども特有のうつ症状

 

子どもの場合、大人と違って、自分の状況を言葉で説明することが苦手である場合が多いです。

 

言葉で上手に説明できない子どもたちは、以下のような症状を訴えてくることがあります。

 

身体の不調

 

お腹が痛い、頭が痛い、体がだるいといった身体の不調

 

この体の不調を訴えるケースは、小学校の低学年くらいに多い印象です。

 

小児科や内科を受診して、はっきりとした原因が見つからない場合は、心の不調を疑ってみましょう。

 

行動面の不調

 

朝なかなか起きようとしない、ご飯を食べようとしない、学校に行きたがらない、攻撃的になる、すぐに疲れるといった不調が、小学生の中~高学年くらいから現れてきます。

 

こうした行動面の不調は、中学生以降になると『拒食・過食』『ひきこもり』『自傷行為』といった行動につながる場合があります

 

このように、自分の置かれている状況や気持ちを、他者に言葉で言い表すことが苦手な子どもたちは、身体の不調や行動面の不調から、他者にSOSを出している可能性があります。

 

単なるグズりや、子どもだからすぐに元気になると決めつけるのではなく、うつ症状を疑ってみましょう。

 

次回は、子どものうつを発見できた場合の、周囲の大人がとるべき行動を紹介したいと思います。

 

※こどものうつには、発達障害なども関連しているケースが多くあります。発達障害についても、また近いうちに記事を書きたいと思います。

 

今日も読んでいただきありがとうございました。

 

皆さんにとって、良い一日となりますように。

 

今回参考にしている本をリンクで貼り付けておきます。子供のうつについて分かりやすくまとめられています。