先生は、カウンセリング中に怒ったりしないの?
なんで?
だって、患者さんの中には、カウンセラーに怒りをぶつける人もいるでしょ?
たまにいるね。
そんな時、むかっとして、注意したりはしないの?
うーん、そのカウンセラーによるんだろうけど、僕の場合は注意はしないかな。
なんで?!
うーん、その患者さんの状態にもよるけど、怒りをぶつけてくる人って、日常生活でも他者に怒りをぶつけている人が多い印象なのね。
うん。
日常場面で人に怒りをぶつけると、大抵は怒られたり、人が離れていったりするでしょ?
そうだね。
日常生活で起こっていることを、カウンセリング室でも起こす必要はないかなと。
どういうこと?
怒りやすい人って、そのことが原因で人間関係が破綻してしまっていたりするのね。だから、カウンセラーに怒りをぶつけてしまうっていうのは、その先に、患者とカウンセラーという関係性の破綻が待っている可能性があるのよ。
なるほど。
てことは、それなりのリスクを背負って怒りを出してくれたのに、こちらが日常場面と同じように注意したり、怒り返したり、その人から離れていったりしたら、治療も何もないもんね。
じゃあどうするの?
吐き出された感情に寄り添うよ。
例えば?
僕に対してそんな風に起こっているんだね、とか、かなあ。
何それ?もっと怒られそう。
それがね、意外とそうでもないんだよね。
そうなんだ。
友たちでも家族でもなんでもないカウンセラーにそんな風に感情を出す、っていうことは、ある意味、その時のその人にとって必要だったりするからね。
よく分からないな。
ちょっと難しいよね。とにかく、怒りをぶつけても、その場でたくさん泣いても、カウンセラーの対応が必要以上に変わらないっていうのは、患者さんの安心につながるみたいなんだよね。
カウンセラーの対応が変わらないことが安心につながる?
そうそう。
自分がどんな状態の時でも、カウンセラーが同じ対応をとってくれるってこと?
その通り。
それがどうして安心につながるの?
今日めっちゃ聞いてくるね(笑)人間はね、変わらないことや、さらけ出しても受け入れてくれるものに安心を覚えるのよ。
でもそれってすごい難しそう。訓練とか受けるの?
うーん。大学や大学院で、怒りを向けられて時の対応とかは練習しなかったなあ(している学校もあると思います)
じゃあ、どこで学ぶの?
実践を通して。
えーっすごい!!
もちろん、最初からうまくいくわけないから、初めて怒りを向けられた時はすごく慌てたよね。結局、その時のカウンセリングはボロボロで終わってしまった気がする。その後、ベテランの先生に対応方法をしっかり聞いたり、勉強したりして持ち直しました。
そうだったんだ。でも、カウンセラーの対応が変わらないっていうことが、患者さんの安心につながるっていうことはよく分かったよ。
以上、読んでいただきありがとうございました。
今回は心理職とタコくんのやり取りだけで書いてみました。読みやすいですか?読みづらいですか?
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今日も皆さんにとって良い一日となりますように。