タコブログ〜公認心理師と共に楽しむ〜

日々が楽しくなるようなコツを、公認心理師が心理学の知識を用いて紹介します。また、世の中の名言(時に迷言)を独断と偏見で心理学的に解釈していきます。

【お悩み解決】心理師が、完璧主義の和らげ方を教えます!【白黒思考】【心理学】

またまたTwitterに質問が来てたよ~

 

最近よく質問をいただきます。ありがたいです。どれどれ?

 

Q.一日のうち、自分で決めたスケジュールを全部こなすことができないと、すごくモヤモヤしてしまいます。これって何かまずいでしょうか?

 

これって何かまずいの?

 

うーん、もっとくわしく聞いてみないと何とも言えないけど、ただ、何かまずいのかな?と感じられているくらいだから、質問者さんにとってのモヤモヤは、邪魔なものになっていそうだよね

 

モヤモヤをとってあげることはできるの?

 

僕自身が取りのぞいてあげることは難しいけれど、質問者さん自身にいろいろと試してもらうことで、モヤモヤが軽くなる可能性はあるよ

 

質問者さん、ぜひ読んでいってくださいね。

 

 

モヤモヤを引き起こしているもの

 

モヤモヤを引き起こしているものは何でしょうか?

 

そんなの、自分で決めたスケジュールをこなすことができなかったことでしょ?と思われる方が多いと思います。

 

でも、世の中には、自分で決めたスケジュールをこなすことができなかったとしても、モヤモヤを感じることなく過ごせる人がいます。

 

とすると、「一日のうち、自分で決めたスケジュールを全部こなすことができない」というのは、モヤモヤの原因ではなく、モヤモヤのきっかけに過ぎないということになります。

 

ポイント モヤモヤを「引き起こしているもの」ときっかけは別である

 

自分の頭に浮かぶ考えを把握する

 

では、モヤモヤを引き起こしているものは何でしょうか?

 

どちらが良い、どちらが悪いというわけではもちろんありませんが、モヤモヤを感じる質問者さんと、モヤモヤを感じない人とでは、何が違うのでしょうか?

 

それはずばり、考え方が違います。

 

決めたスケジュールをこなすことができなかった、という出来事に対して「今日できなかった分は明日やればいいか」と考える人もいれば「決めた分は絶対にこなしたかったのに……」と考える人もいるでしょう。

 

このような考え方の違いは、結果、気分の違いにつながります。

 

例えば、今日できなかった分は明日やればいいか、という考え方は、とくに落ち込んだり、悲しんだりといった気分にはつながりにくいでしょう。

 

一方で、「決めたスケジュールは絶対にこなしたかった」という考え方は、落ち込みや悲しみ、はたまた、怒りときった気分につながりやすいかもしれません。

 

以上から、まずは、そのモヤモヤ引き起こしているであろう、自分の頭に浮かんでいる考え方を把握する必要があります。

 

ポイント きっかけにより、頭に浮かんだ考えを把握する

 

考え方のクセの種類

 

何か決めたことを完璧にこなすことができなかった際、落ち込んだり、失敗した気になったりする方は、もしかしたら、考え方にある「全か無か思考」というクセが生じているかもしれません

 

考え方にクセ?そんなものがあるの?

 

あるといわれているよ。以下に考え方のクセをのせておくから、自分だったらどのクセがあてはまるか、チェックしてみてね

 

考え方のクセ一覧

 

①      全か無か思考   

ものごとを白か黒のどちらかで考える思考法。少しでもミスがあれば、完全な失敗と考えてしまう。

 

②      一般化のしすぎ   

たったひとつの良くない出来事があると、世の中すべてこれだ、と考える

 

③      心のフィルター   

たったひとつの良くない事にこだわって、そればかりくよくよ考え、現実を見る目が暗くなってしまう

 

④      マイナス化思考

なぜか良い出来事を無視してしまうので、日々の生活がすべてマイナスのものになってしまう

 

⑤      結論の飛躍  

根拠もないのに悲観的な結論をだしてしまう。結論の飛躍には種類あります

a.心の読みすぎ:ある人が、あなたに悪く反応したと早合点してしまう

b.先読みの誤り:事態は確実に悪くなる、と決めつける

 

⑥     拡大解釈と過小評価  

自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する。逆に他人の成功を過大に評価し、他人の欠点を見逃す

 

⑦     感情的決めつけ  

自分の憂うつな感情は、現実をリアルに反映している、考える。「こう感じるんだから、それは本当のことだ」

 

⑧      すべき思考  

何かやろうとする時に「~すべき」「~すべきでない」と考える。あたかもそうしないと罰でも受けるかのように感じ、罪の意識を持ちやすい。他人にこれを向けると、怒りや葛藤を感じる

 

⑨     レッテル貼り

ミスを犯した時に、どうミスを犯したかを考える代わりに、自分にレッテルを貼ってしまう。例「自分は落伍者だ」など

 

⑩      個人化

何か良くないことが起こった時、自分に責任がないような場合にも、自分のせいにしてしまう

 

引用文献 デビッド・D・バーンズ著、野村総一郎・夏苅郁子・山岡功一・小池梨花・佐藤美奈子・林建郎訳(2004),『いやな気分よ、さようなら―自分で学ぶ「抑うつ」克服法』,星和書店.

 

いかがでしたか?

 

注意事項として、考え方のクセは、悪いようにはたらくことばかりではありません。

 

例えば、①の全か無か思考で言えば、判断基準がしっかりとしているので、優柔不断とは思われにくいかもしれません。また、⑧のすべき思考に関して言えば、意志が強い、責任感があると周囲から評価される可能性があります。

 

ポイント 自分の考え方のクセを把握する

 

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出典:https://www.pakutaso.com/photo/2198.html

 

全か無か思考のやわらげ方

 

Step.1

まずは全か無か思考があることによる、メリットとデメリットを書き出してみよう。

 

メリット例:判断が早く済む

デメリット例:落ち込むことがある、周囲から「極端」と言われてしまう

 

Step.2

メリットよりもデメリットが大きい場合、この先どんな風になりたいかをイメージしましょう。

 

 イメージ例:全か無かで考えるのではなく、折り合いをつけて考えることができるようになりたい

 

Step.3

特定の場面(きっかけ)から生じた考えをメモし、その時の気分も記録する

 

例:自分で決めたスケジュールを全部こなすことができなかった(きっかけ)→自分で決めたこともこなせないなんて、だめな自分だ(思考)→落ち込み100(気分:数字はその強さで最小0~最大100)

 

Step.4

特定の場面(きっかけ)から生じた考えをメモし、今度は否定的でない、合理的な考え方を記録する。あわせて、そのように考えた時の気分も記録する

 

例:例:自分で決めたスケジュールを全部こなすことができなかった(きっかけ)→自分で決めたことができなかったけど、できている日の方が多いよな(思考)→落ち込み60(気分:隣の数字はその強さで最小0~最大100)

 

※ポイントとして、合理的な考え方は「次はできる!やればできる!」等のポジティブである必要はありません。例のように、できなかった自分を認めつつも、合理的な考えを添えてあげると、やりやすいかもしれません

 

おまけ

不完全な状況を自らあえて作り出し、不完全な状況に慣れていく。

 

例①:いつも行っている筋トレのメニューから、1つのメニューをあえてやらないでみる

例②:いつもはご飯を食べてからお風呂に入っていたが、必ず行っている日課の順番を変えてみる

 

Step.3の考え方への取り組みとあわせて、普段の行動面から「あえて」を用いてみることをおすすめします。

 

ポイント 合理的な思考を記録してみる+行動は「あえて」パターンをずらしてみる

 

今日のまとめ

ポイント モヤモヤを「引き起こしているもの」ときっかけは別である

ポイント きっかけにより、頭に浮かんだ考えを把握する

ポイント 自分の考え方のクセを把握する

 ポイント 合理的な思考を記録してみる+行動は「あえて」パターンをずらしてみる

 

いかがでしたでしょうか。今回の記事が、質問者さん、そして、読者のみなさんのHappyにつながれば嬉しいです。

 

それでは、今日も読んでいただきありがとうございました。

 

皆さんにとって良い一日となりますように。

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