タコブログ〜公認心理師と共に楽しむ〜

日々が楽しくなるようなコツを、公認心理師が心理学の知識を用いて紹介します。また、世の中の名言(時に迷言)を独断と偏見で心理学的に解釈していきます。

【小説】雪かきをテーマに小説書いてみたから読んで欲しい!【創作】

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こんちは、タコです。

 

なんか小説っぽいものを書きたい気分なので書きます。

 


タイトル:雪かき

著者:タコ

 

入れて、おして、すくいあげる。

 

入れて、おして、すくいあげる。

 

単純な作業を、ただひたすらに。

前髪からたれる汗が目に入る。

 

スコップいっぱいにのった雪をヨロヨロと運ぶ君の姿を横目に、入れて、おして、すくいあげるを繰り返す。

 

君は相変わらずヨロヨロと雪を運んでいる。手元ではしゃぐ子どもを連れるようにして、駐車場の隅まで雪を運んでいく。

 

かれこれ2時間、僕たちに会話はなかった。

 

ただ黙々と、互いが互いにやるべきことをやっていた。

 

いや、やるべきことをやることで、本当に話し合わなければいけないことに蓋をしているだけだった。

 

手袋を脱ぎ、雪の上にのせていたペットボトルに手を伸ばす。

 

指に上手く力は入らず、手からこぼれおちたペットボトルは、ボソッという音を立てて、雪の上に落ちた。

 

「別れましょう」

 

途端、数日前に彼女に言われた言葉が頭をよぎった。

 

「これ以上はもう無理だと思う」

 

そう言い切る彼女は僕の目をなかなか見ようとしなかった。

 

「僕は、いやだよ」

 

震える声が情けなかった。

 

「じゃあ、どうするの」

 

彼女に新しく好きな人ができて、いつの間にか別れ話を切り出され、明確な反応を見せることなくずるずるとここまで引のばしてきた。

 

「また何も言わないつもりなの?」

 

こちらが無言でいると、彼女は呆れるように言葉を吐いた。別れ話を切り出されてからはや半年。いつの間にか、好きな人ができたから、という理由から、はっきりしないところが嫌い、という理由にすり替わっている。

 

「あたたかくなる頃には、私、ここを出て行くから」

 

そう言い切ってからの彼女は、どこか腹を決めたように、僕に普通に接するようになった。

 

ただ、今日は別だった。

 

彼女が雪かきをしてくる、と向かった先は、彼女が一緒になりたいと願う男が勤める職場の駐車場で、後をこっそりとつけてきた僕は、今こうして雪かきを共にしている。

 

「ほんと、わけがわかんない」

 

こっそりついてきた上、雪かきを手伝わせてほしいと願い出た僕に、彼女は言った。

 

自分でも、わけがわからない。男の職場の終車場を、どうして彼女が雪かきしなくてはいけないのか。どうしあたたかくならないと、彼女は男と一緒になれないのか。そして、僕はどうして雪かきを手伝っているのか。

 

風が吹き、細かな雪の粒が僕の頬をなでた。冷たさと痛さに責められているようで、半年間、我慢していた涙が溢れ出そうになった。

 

ドスっ

 

と鈍い音がする。見れば、彼女が雪の上で横たわっている。雪の重さでよろけたらしい。スコップからこぼれた雪は、明らかに、彼女の身には大きすぎた。

 

「くそっ!」

 

と彼女は地面の雪を何度も叩いていた。僕は声をかけることができなかった。だから、ただ作業を続けることしか出来ない。

 

入れて、おして、すくいあげる。

 

入れて、おして、すくいあげる。

 

(了)

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

久しぶりに描いてみました。感想などいただけると嬉しいです。お手やわらかに!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

今日も皆さんにとって良い一日となりますように。

 

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